⑤【がんの学習、がんは何者?】

DNAのミスプリント。ところがそれはがんになると最強の細胞になる。元々は傷ついた正常な細胞。傷は修復されカサブタになり、その下にちょっといびつな細胞として生まれ変わるのがシミやシワ。加齢とともに深くなるが正常な細胞。

がんはまったく別な成長をする。なんと無呼吸を覚える。
成長とは逆の【原点返り】、受精卵から胎児となった無呼吸時代に戻っている。特徴は異常な細胞分裂、アポトーシス(分裂すると普通親細胞は自然死するが、この細胞は死なない)せずに分裂を繰り返す。細胞分裂にはたくさんのエネルギーを必要とし、そのエネルギーは患者本人から奪い取ることで確保する。(エネルギー源については後記)

がんは蜂の巣のように母細胞ととりまく子細胞で構成され、子細胞は周囲の正常な細胞に囁く。「こっちにおいで。こっちはいいよ」周囲の正常な細胞が騙されるとがんは腫瘍(かたまり)を作り、次に侵略を始める。【がんの行進】だ。

がんは周囲細胞を溶かしながら、周囲細胞を移動させ、やがて血管に到達。子細胞は血管内に進入し、身体の各地に分散する。ほとんどは激流に飲まれ死ぬが、身体の弱った部分に流れ着いた子細胞はそこで新たな基地を作る。そこに蜂の巣のようにまた第二母細胞が生まれる。
第二母細胞は一箇所とは限らない。身体のあちこち弱い部分に取り付き、それぞれががんのエリアを定着(普通の細胞をバリアにする)する。そして眠る。

母細胞はある程度活動したら眠るのが特性。あるきっかけで活動を再開する。ここまでのがん成長までに掛かる時間はなんと10年。若い人ほど発症も速く進行も速いのは、元気な細胞分裂が速い事に起因して、老化するほどそれは遅い。

表皮にできるがんと内部にできるがん。
表皮とは皮膚がんだけでなく、大腸も表皮。消化器系は外部と接触するから表皮になる。大腸検査でポリープが発見され、白黒判断されて、黒となるとそのまま切除。小さいうちなら白黒関係なく取る。白はいずれ黒になる可能性大だから。

乳がんは内部のがん。乳腺のある胸は非常に繊細で母乳を出すためにある細い管が編み目にある。この管がやられやすい。シコリ発見から始まる乳がんは、脇の下のリンパ節に近い為、転移確率が高い。医師がリンパ節を取ると言う。転移を恐れての事。これはダメだ。
リンパ液も白血球同様に数少ない細菌と闘うもの。さらにはリンパは体内の使用済み水分除去装置。切除した部分のリンパがないと腕や脚はパンパンに膨れ動かなくなる。

最も脅威と呼ばれるすい臓がん。5年生存率は8%と死に至る強敵。有名人がありったけの費用を掛けても治せない不治の病とされている。二個ある他の部位と違い、小さくひとつしかないすい臓は切りにくく再生しづらい内臓だから。肝臓のように半分では機能しない。
がんは頭にも出来る。頭は脳腫瘍と呼ぶ。出来た部位が深いと切れないし、循環器を司る部位なら循環器への命令が途絶え、循環器は停止する。

目や心臓、あらゆるところに発症するが、がん母細胞が子細胞に指令するのは【骨ずいへの侵略】、狙いは骨の中は血液をつくる工場。
がんの最終目的は、その血液工場を破壊すること。骨ずい停止すれば血液は作られず、酸素と栄養を運べなくなる身体は停止せざるを得ない。
がんは寄生する宿主を死に至らしめ、目的を達して自分も死ぬ。


がんは最初の母細胞に起因(できた箇所の特徴を引き継いでいく)する。発症した最初の特徴を維持しながら抗ガン剤などを拒否し、騙した健康細胞に指示して、抗体を作らせる。だから抗ガン剤が効かなくなる。

がんが好むもの(エネルギー源)は糖類。悪玉菌同様にお肉大好き。がんは糖類で増殖する為に、足らない分は筋肉(主に脂肪分)を溶かして糖に変える。がんは細胞分裂するためにもの凄くエネルギーを消費する。糖類がなければ活動できない。
がん患者がやせ細り、水がたまった(悪液質)になるのはこの影響。ガンが活発に進行し、手遅れと診断された無残な宣告を受ける瞬間だ。

がん細胞は醜い。アポトーシスしないとは言っても細胞なので、やがて死ぬ。それは残骸となり、まるで古タイヤを積み上げるように死ぬ。
生きているがんの部分が古タイヤに寄り添って存在する。そして周囲を騙した健康細胞で取り囲み、古タイヤを中心に広がる組織体。
がんに直接薬物注射したら効くかと言えばNO

細胞は脆く浸み出すだけだ。浸み出す液体は劇薬。やつらは組織の脆さも武器に医療に立ちはだかる。直接決定打になる手段は取り除くしかない。
切除する。すると第一母細胞がいなくなった情報が第二母細胞に伝達され、眠っていた第二母細胞が活性化する。これががん再発。第二母細胞は複数ある。しかも第一母細胞を受け継ぐ才能と、たびたび投入された抗ガン剤に対しての耐性を持ち、それぞれがそれぞれの場所で活動する。すると宿主には強烈な痛みや苦しみを与える。これには最終手段のモルヒネ対応しかない。

医師が最初の発症で全滅を試みる為にリンパ節まで取るのは、再発では治す事が困難だから。とにかく切る焼く薬づけにする。それは間違ってはいないが、患者は生かされない。
「患者が生かされないのが、医療か?」
と、へいさんは思う。亡くなった妻も言った。
「あの先生は、患者を診ていない。診ているのはがん。それは違うだろ」
手遅れになるまでそれは続き、私たちはこの病院を去った。
「治すって言ったじゃないか!あんたそれはどうした?」

 医師は「やるだけの事はやりました。残念です」と告げた。
医師にしたら患者のひとり。臨床例の数字の1にすぎない。私たちにはたったひとつの生命。重みは正反対。簡単に言えば、医師ががんに掛かったら同じ治療法をやるかと聞けばいい。まず絶句する。そして「はい」と小声で言うだろう。
しかしそれはない。絶対に彼らは違う治療(保険外医療)をする。
もちろん医師は毎回精いっぱいの努力をしている。ただの数字の1ではないというだろう。でも自分が医師なら同じ治療法では満足しない。
「やるだけのことはやった」では済まされないからだ。

 以上が概要。そしてがんは明確な予防策がない。まして喫煙や飲酒によるダメージは長年身体を痛めつけてきた。もちろんストレスも大きい。

残念ながらこのストーリーにオチはない。

自分をいつまでも元気にしておく。そして検査をやる事くらいしかない。 ただ、諦めたらつけ込まれる。闘いにへいさん(私)を呼ぶ。一緒に闘うしかない。