⑩【サバイバーズ・キャンプ】
世にも美しいガンの治し方と言うイラストのサイトがある。
人参ジュースでガンが消えた実話である。ヒポクラテックサナトリウムと言う伊豆の合宿制の施設で断食をしながら治すガン療法。歴代の首相や慎太郎さん親子も通うと言う。
小野薬品のガン特効薬オブジーボが半額になったと言う。年間3500万が1750万に下がったと言うニュースだ。手当たり次第情報の渦の中でもみくちゃにされ、いったいどうしたもんだ。と調べ疲れてしまう人たち。【ガン難民】と呼ばれている。
「他人の事はどうでもいい。ウチに奇跡がやって来ればいい。奇跡は起きないのか?」古い記憶を辿り、中学の同級生が医師だった事を思い出し、友人繋がりから連絡を取ると、「そんな民間療法の事はいっさい忘れて、担当医を信じろ。医学は進んでいる」と泣きすがる私にカツを入れた。
万が一と言う言葉はほとんどないと言う意味だ。ガンからの生還は10万人にひとりと言われ、万が一の10倍。絶対にないになる。
私はキャンサー(ガン患者)ではない。元キャンサーの夫であった。残念ながら時間切れでガンに妻を奪われ、希望もなくなった。まもなく死亡の半数がガン患者となる日本。この数年間日々調べた結果、【ガンは自分で治す事が可能】と言うか自分で治さなければ治らないと行き着いた。
キャンサーなら担当医に聞いてみるがいい。「貴方はいったい何人治しましたか?」と。
しかし、自分で治療する事は簡単ではない。科学的根拠のない自己治療は経験値のあるサバイバー(完治し生還した人)からのアドバイスと生活そのものを改める事、言って見れば洗脳。新しい宗教の教徒に【生まれ変わる事】になる。
ベースはサバイバーのやり方を真似する事、必ず治ると自分に言い聞かせ、家族の協力のもとで【ガンを消していく生活】を営む事でしかない。
ガン細胞は生活習慣の中で毎日5000個程度発症しているが、身体の中の免疫が作用し、消している。免疫力を最大限にする事で、発症し医者が手を付けられなくなった【ガンを消していく】わけだ。
主な免疫は小腸からの栄養補給に委ねられている。
生活習慣の最大の敵は自分自身のハート。こいつが治す事に専念しない事には免疫は機能しない。科学的根拠ではなく、マインドコントロールにより、ポジティブな生き方しか考えない。やや医学的には、ポジティブシンキングがもたらす副交感神経の活性化により血流を良くする事で、闘うべき免疫たちが身体の隅々の戦場に行きやすくするわけだ。
半身浴や自宅で出来る温熱効果は、内部に溜まった毒素を発汗で排出し、末端まで保温する事で血流は循環し、更に闘うべき免疫たちが送り込まれ易くなる。論理的には何一つ間違ってはいない。
但し、生活は一変する。ガン治療以外は何も出来ない。他の生活習慣部分は家族に依存する。食べ物は一変する。ガン対策専用の食べ物は普通の人には無理だ。【玄米菜食】、坊さんの世界だ。動物タンパク質や乳製品、卵など一切食べない。油も使わない。まあカスミを食べる仙人よりはまだいいか。食べるのはすべて小腸内善玉菌を増やす事になる。
治癒機能の免疫が行き渡る為に毎日歩く。1日1万歩。人の悩みには付き合わない。ひたすらこれを毎日実行する事でしかない。料理自体には先駆者がたくさんいるから、マクロビオティックなどで学習し、少しでも味気ある食事をする事だ。
問題はこれを継続する協力者、家族のアシストがなければなし得ない事だ。働く事は出来ない。せいぜい自分のお世話分の有機野菜の買い出しと玄米菜食の料理くらい。まあ家族の洗濯くらいは出来るだろう。あとは【ガンが消える】まで借りておく。食費とか生活費を含めて。
1年で治るか半年か、または2年か?いずれにしても、がん患者の会にいずれかに入会し、レクチャーを受けてからはずっとこの生活になる。それは治ってからも継続しなければならない。再発を防ぐ為にはその覚悟を持って食生活を変える事になる。
入会するを選んだところから、いままでの生活はすべてセピアカラーのアルバムになる。アルバムの生活には決して戻れない。家族とかの絆の繋がりの事ではなく、生活習慣の事。仕事は残念だが辞める事になる。
喜ばしい事には、いままで夢のような話だった【生まれ変わったら、どうしたい?】が実際に起こる。昨日までのガン患者とはお別れし、ガンになる前より健康な【ウェラー.ザン.ウェル】と言う考えだ。若返る事は出来ないが、身体の毒が抜けたいままでの最高の健康体が手に入るわけだ。
ガンになり、途方に暮れ、死を意識した瞬間から、生きる最高の身体を選んだ私となる。それが鏡に映る姿を見たくない人はいないだろう。
三大療法の先進医療を選ぶか自分を信じて闘うか。それは自由だ。
美味しいケーキはダメだし、口の中でトロける焼肉も食べられない。スタバのトッピングコーヒーもロイヤルミルクティもない。砂糖塩油、味の素の入った味噌汁も飲めない。煩悩の108のうち、100あまりは放棄しなければならない。それには、生きる目的が見つからないと難しいだろう。
探して探して探し尽くした結論は、自分の中にあった。
「あんたはまだ生きるのか、それともここまでか」散々酷使してきた身体が言う。
「もっと生きたい!」と貴方が言うと、「いい加減にしろよ!あんたがこの病気を引き起こした張本人、ちゃんと責任を取れよ」と身体は吐き捨てるように答える。
そう、この辺で身体の中の心(ハート)とやらと一緒に自分以外の人の為に生きる事をやらなければならない。自分がガンから解放されたら(サバイバー)、次にガンから解放されたい人に使ってやるんだ。新しい身体を手にしたとはそういう事だ。
ガンで死ぬ事は患者も家族も厳しい。苦しみ以外何もない。たとえホスピスで麻薬を投薬されて痛みから解放されたとしても、心の中には痛みが続いている。
治すのではなく、迎えが来るのを待っているだけだから。
ガンを治す事で最初に着手するのは、この生きる意味を改める事にある。生まれ変わって世の中の人の為に活動する事。
いい意味で【アドラー心理学】を推進する事、わかりやすい意味では自分の煩悩と別れる事だ。金や名誉、食欲性欲、欲望を捨てない限り手にする事は出来ないようになっている。
アドラー心理学では、すべての問題の根源は人間関係とし、人間は3つのジャンルに分類する。ひとつめは仕事の繋がり。ふたつめは友好関係、3つめは愛情の繋がり。ライフタスクと呼び、タスクだから自分から切る事は望まない。ポジティブに関係しながら、その縁を活かしていく事を推奨している。
ポジティブなタスクは人にストレスを与えない。宗教の勧誘のように信じ切る事で繋がりを太くしていく事だ。マザーテレサやダライ・ラマのように【徳を積む】事を推奨している。日々の出来事に一喜一憂せず、目的に向かい歩き続ける事。その一点を見つめる事だ。
いままでの生活ではあり得ない事だろう。しかしそれが【生まれ変わった】意味になる。
病気を治す話が精神論にすり替わっていないかと言う疑問に応えれば、【病は気から】の言葉通り、生活習慣病のガンは人の気持ちから発祥している。ストレスが血流を悪くし、無理な習慣や仕事のイライラが食生活を乱していく。ガンになった状態を海水面で言えば、ガンの一部が現れた事は露出した氷山と言える。氷山を削ってもまたそれは下から隆起してくる。
水面下にある大きなストレスと食生活を修正し、表面を緑の大地にするには下地にきちんと土を入れていかなければまた氷山は出来てしまう。土を入れるための土壌からコツコツとやるしかないって事だ。
自己啓発によるこの療法が日の目を見なかったのは、やはりその刷り込み方の強引な部分と非科学的な言い方などが起因するのだろうが、最も大きな要因はネット検索ではほとんど引っかからない事だ。ネット検索では正確な単語で現さないとエンジンには引っかからない。【ガン
自己治療 免疫】などと入力してもたくさんの広告費を使う最先端医療(この最先端とは、三大医療ではなく厚生労働省に認可されていない300万以上掛かる高額な治療)にそのほとんどのページを奪われる。
また検索ページの多くは治療費の相談(ヤフー知恵袋など)などに邪魔され、本来知りたい情報には行き着かない。検索は正しい単語3つを重ねないと行き着かないような膨大な量の広告に埋め尽くされているからだ。正しい単語って何?その定義に当てはまるものはない。何故なら単語を各団体が揃えていないからだ。
行き着いたNPO 法人は、サバイバーは334人とおそらく世界最大級。参加者は常時1000人と全国規模に膨らんでいる。
参加者を【これからさん】、治り始めた人を【あさひさん】、完治した人を【なおったさん】と呼び、定例会や全国大会を催すNPO法人がんの患者学研究所は創設者自らがガンから治った元NHKのディレクター。完全に民間の医療に無関係な人たちの集まりからスタートしている。本部は横浜、定期的に無料セミナーを開催している。設立1997年。
ふたつめには名古屋が主体のガン克服支援NPO法人いずみの会ウェブサイトで、しっかりとガンと向き合う意味を伝え、支持する医師が講演に参加する特異な組織。設立は1990年。創立者ははっきりと3年続けなれば完治には至らない。94%の生存率は脅威だろうという。
実際に探し当てたのは検索エンジンではなく、出版物からであり、中身を読んでからサイト訪問に至った。無料のロボット検索は万能ではない。
ただこれは比叡山延暦寺の山門にたどり着いただけで、これから入門を許され、修行する生活をイメージしているに過ぎない。あくまでも結果ありき。1年365日が経過した時に答えになって返ってくる。
選択と継続をした結果でわかることだ。
【生きる事は修行】、それを教わったのは22年前の漫画家G・A先生との出会いだった。インテリ漫画家の彼は言った。「D通は嫌いだが、お前となら仕事してもいいぞ」それを言わしめたのはスーツのまま彼のマンションのコンクリート剥き出しの廊下で5日間正座をし待ち続けた結果だった。電話も訪問も拒否され、しかし許可されなければ帰れない状況で、やれる事がそれしかなかった。仕事で裏切られた事があるG・A先生はかたくなに拒否し続けた。
私ごとに話はそれるが、1日で心が折れた。2日目に足がハンマーで叩かれているように痛み、3日目に意識は飛んだ。4日目に妄想が見え、5日目に気を取り戻した。先生はそれをドアの覗き穴から助手に覗かせていたのだと思う。
閉じた貝の口に大好物のレミーマルタンをぶら下げ、ひたすら待ち続けた。5日目の昼、ドアは開いた。5本目のブランデーが早めに飲みたくなったわけだ。ちょうど長女の出産が重なり、のちにいただいた色紙にはこう記されていた。
人気漫画H雲の主人公たちが笑顔で迎える画に、「へいさん赤ちゃん、ようこそ修行の世界へ」とあった。
最後に10万人にひとりの話に戻すと、10万人のうち、99997人位が医師の言う通り三大療法を試みる。残った3人は説明書類にサインせず、自力でガン治療に挑む。「治療しなければ余命半年ですよ」と言われても断る強い意志の3人だ。辛い厳しい修行のような自力での治療を成し遂げる事、サバイバーになれるのは3人のうちひとり。しかし、サバイバーの先輩や協力者に囲まれた治療ならそれは変わるだろう。10万人に3人。
統計の間違った解釈をいま正しておく。
医師に従うだけか、自分で治療するか。
道はそれだけだ。
【まだ歩ける、まだ食べる事ができる】その2つがあれば可能性があるって事だ。
患者となった方と家族の幸運を祈る。そしてサバイバーになった人と会える日を楽しみにしている。サバイバーこそ、私たちの希望であり、未来そのものだ。
We can go home to have only 6 months to
live beyond cancer.
宣告を受けても諦める必要はない。
